コンパスの歴史
コンパスとは?
コンパスの歴史は大変古く、いつ、誰が発見(発明)したかは定かではありません。ガラスの発明も偶然の産物であったように、コンパスも磁気を持つ金属の偶然の発見から始まったと思われます。
古代ギリシャや当時の中国では磁化した金属の存在を既に知っていたようですが、南北を指す方位磁石が歴史に登場するのは中国の漢の時代、およそ2000年程前のことです。このころには東西南北、十二支等を示す羅盤へと発展しています。11世紀の宋の時代になると、年月日や季節などを方位に置き換え方位磁石の周りに複雑に配した羅盤がつくられ、風水の基礎が出来上がっています。その後、13〜14世紀に羅針盤はヨーロッパにもたらされ、バスコ・ダ・ガマやコロンブスそしてマゼランなどの勇気ある人々の探究心が大航海を成功させ、もたらされた地理上の発見が、閉ざされた中世ヨーロッパの世界観を打ち破ることになります。日本においても中国文化を積極的に取り入れた奈良時代に、方位磁石がなんらかの形で伝えられたようです。1600年にはイギリスにより東インド会社が設立され、東方貿易がにわかに積極的になったことから、なによりも船が必要となり、その船を正確に航海させるため羅針盤の研究や製作が盛んになりました。当時の学者は磁石の方針がなぜ北を指すのかとの疑問にたいし北極星が針を引くためだとか、地球の北の方に磁石の山があるからだと考えていましたが、イギリスの医師ウイリアム・ギルバートは地球全体が一種の磁石であると考え実験的に証明しています。
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現在市販されているコンパスは風水や測量などの使用目的により何種類かに分類されますが、大別するとカプセルの中に特殊なオイルを封入したオイルタイプとオイルが封入されていないドライタイプの2種類に分けることができます。オイルコンパスは内部に封入されたオイルの粘性により方針がふらつかず、スムーズかつ素早く北を指すことができます。対してドライコンパスは接触抵抗がほとんどないため、方針が北を指して止まるまで少々時間が掛かります。この点ではオイルフロートコンパスに分がありますが、ドライコンパスには方針を静止させるストッパーが付いたものがあります。実はこのストッパーを使うことにより、オイルフロートコンパスにはできない特殊な使い方がドライコンパスにはできます。用途に合ったコンパスを選ぶことが大切です。
コンパスの種類
コンパスはだれでもでも知っている磁石の性質を利用して作られています。コンパスの中にある方針は磁化されていますから、一方がN極、他方がS極になっています。そして「同極同士は反発し,異極同士は引き合う」というまさに磁石そのものの性質によってコンパスの方針は南北を指すのです。それは地球そのものも磁石の性質を持ち、N極とS極があるからにほかなりません。正確に言えば地球のN極とS極の間に磁力線が走り、コンパスはその磁力線に沿って引っぱられているのです。
ただし、コンパスの方針は真北を指すことはありませんので、地域によってはその使い方に注意が必要になります。それは地球内部が均質ではないため、地球の磁力線が所々歪んでいることにより、地域によって方針の指す向きに偏差が生じるからです。日本付近は比較的偏差の少ない地域にあたりますが、それでも北海道では方針は真北から西よりに約10度を指すことになってしまいます。同様に東京付近では西に約7度ずれています。この程度の偏差であれば日常的な使用には問題はありませんが、アメリカ大陸高緯度地方などでは東西にそれぞれ30〜40度もずれる地域があります。このような地域でコンパスを使う場合にはあらかじめ東西にどの程度偏差があるかを知っておく必要があります。話はそれますが、恐るべきことに地球の磁極は5000年程の周期でN極とS極が逆転することが分かっています。現在はN極が北極側にあり安定している時期ですからご安心を。
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